脳損傷後の「主体性」の回復をどう支援することができるか
             ~第3回  ピアとの関係を育てる~

 第2回では、「回復期における対応」ということで、脳損傷を受けて急性期を過ぎ、回復 期において「主体性」が認められない場合の背景とその対応についてまとめました。主体性 が見られないとき、脳損傷当事者の視野に入っているのはもっぱら、脳損傷によって変化し てしまった自分で、そのまなざしは自身の内側に向きがちです。そうした自分を受け入れる ことができない時、周囲の世界に戻りこれからの時間を生き始めたいという気持ちがもち にくくなるもので、その状態が続くと、周囲の人には「主体性が失われている」と受け止め られがちです。
 医療専門職や家族にまず求められるのは、そうした脳損傷当事者の気持ちを 受け止め、見守りながら、適切なときになったら外の世界に目を向けたり、今後の人生を考 えたりする姿勢を回復させることではないかと思います。 そのように脳損傷当事者の方のまなざしを内に向かうものから外に向かうものに変えて いくための手段は、今回の研究のもととなった会合においても様々なアイデアが述べられ てきました。
 この第3回では、その1つとして「「ピアとの関係」を育てていく方向をまとめ ておきたいと思います。「ピア」とはもともと「仲間」を意味する語で、ここでは「自分以 外の他の脳損傷当事者」という意味で使っています。
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